Pray For Japan #2
前回の記事で
米赤十字に携帯と公式サイトから募金をした
ことを報告しましたが、
その後 Twitter でこんなツイートを発見しました。
NYタイムズは日本赤十字が、海外からの支援を必要としていないと言ってると報道。それでも米赤十字は30億集めて、うち10億を日本に送金。米メディアは市民の衝動的な慈善活動に対して警鐘を鳴らしている。 日赤よ、それホント?NYT: nyti.ms/g6BYjZ
— Will Tachiiri -立入 勝義 (@tachiiri) March 16, 2011
気になってリンク先の
ニューヨーク・タイムズ紙の記事
A Charitable Rush, With Little Direction
を見てみると、
--------------------------------------------
The Japanese Red Cross, for example,
has said repeatedly
since the day after the earthquake that
it does not want or need outside assistance.
(たとえば日本赤十字は、
地震発生以来
国外からの援助は必要としていない
ことを繰り返し述べている)
...a missive that was sent out
to the American and other national Red Cross organizations
and read in part:
“At present, the Japanese society is not
launching a national or international appeal,
but expressions of solidarity
in the form of unearmarked financial contributions
would be gratefully received.”
(米国や他の赤十字組織に送られた公文書で
「日本社会は現時点で
国家的あるいは国際的なアピールをしていないが、
連帯を示す形での財政支援であれば
喜んで受け入れるだろう」
と述べている)
"Charities are aggressively soliciting donations
around this disaster, and
I don't believe these donations necessarily
are going to be used for relief or recovery in Japan
because they aren't needed for that,"
Mr. Karnofsky said.
"The Japanese government has made it clear
it has the resources it needs for this disaster.”
(「慈善団体は今回の災害を受けて
積極的に寄付を募っているが、
これらの寄付が必ずしも
日本での救援や復興に使われるとは限らないと
私は思っている」
とカルノフスキー氏は話す。
「今回の災害に対して必要な資力は足りている
ことを日本政府は明らかにしている」)
--------------------------------------------
など、目を疑うような内容がずらずら。
こんな状況で援助が必要ないとか
信じられへんねんけど・・・!
と思い、
これがほんまやったらちょっと信じられません→ "The Japanese Red Cross has said repeatedly that it does not want or need outside assistance." http://ow.ly/4g9xA
— Jaggersan (@jaggersan) March 17, 2011
とツイートしたところ、
@tachiiriさんから
@matsuoty @jaggersan 先程@smajapanさんにより、デマであることが発覚しました。日本に電話されたそうです。
— Will Tachiiri -立入 勝義 (@tachiiri) March 17, 2011
というお返事が!
そこで @smajapan さんのツイートを拝見してみると、
なんと例の記事を書いた張本人である
ニューヨーク・タイムズ紙の記者が
Twitter をしていることが発覚。
さっそくツイートをたどっていくと、
@GordonJayFrost Read what the Japanese Red Cross is saying: http://tinyurl.com/45j7mh2 and http://tinyurl.com/4u8o88q
— Stephanie Strom (@ssstrom) March 16, 2011
というツイートを発見しました。
(現在は記事の文中に
このリンクが追加されていますが、
最初に記事が公開された段階では
リンクはありませんでした)
リンク先を見てみると、確かに
--------------------------------------------
The Japanese Red Cross Society,
with the support of
the International Federation of Red Cross
and Red Crescent Societies, has determined that
external assistance is not required,
and is therefore not seeking funding
or other assistance from donors at this time.
(日本赤十字社は、
国際赤十字・赤新月社連盟の支援を受け、
対外援助は必要ないこと、そのため
募金者からの財政的支援や他の援助に関しても
求めていないことを決定した。)
--------------------------------------------
と書かれています・・・。
ところが、
このニューヨーク・タイムズ紙の記者のツイート
をもう一度よく見返してみると、
Latest update on donating to the Japanese Red Cross.
They are officially requesting the donation
goes through your own RC
(日本赤十字に対する寄付の最新アップデート。
現在各赤十字を通した寄付を正式に求めています)
http://ow.ly/4g2dw
- 16 Mar via @saundra_s Retweet by @ssstrom -
というのも発見!
しかもリンク先を見ると、この声明は
ニューヨーク・タイムズ紙の記事の出た3/15の
一日前である3/14に出ています。
これは明らかに情報収集不足。
たとえこの声明に気づいたのが
記事を公開した後だったとしても、
すぐに訂正・アップデートなどの措置をとるべきです。
ましてやニューヨーク・タイムズ紙は
米国でも最も影響力のあるメディアの一つ。
この記事を読んで米国内で募金を考えてくれている人たちが
躊躇するきっかけを生み出さないとも限りません。
あれこれ想像するうちに怖ろしくなって、思わず
「なんでやねーん!」
と叫ぶと、ジェガーさんが飛んできて
「どないしたんや!」
一連の経緯を伝えると
ジェガーさんも記事やツイッターを確認し、
「直接本人に話してみる!」
と言って、すぐ
ニューヨーク・タイムズ紙に電話をかけ始めました。
あいにく本人は留守だったのですが、
ジェガーさんが電話越しに長々と事情を説明し、
訂正・アップデートを求めると、
すぐに折り返し本人から電話がかかってきました。
同じような苦情が他からも来ているようで、
記事のアップデートをするとのこと。
そのことを私がツイートすると、
本人が私にツイートしてくれました。
@jaggersan I agree. I lived in Japan for four years and left a big piece of my heart there, so this tragedy has touched me deeply.
— Stephanie Strom (@ssstrom) March 17, 2011
日本に住んでいただけに、
本人も驚きを隠せない気持ちで
記事を書かれていたのかもしれません。
とはいえ、誤解を招く情報提供は
ジャーナリストとして
最も気をつけなければならないことの一つ
と、自戒も込めつつ改めて思いました。
結局記事はその日の午後、公開後3日目に
なんとかアップデートされたので良かったです。
でも、この記事で私が気になった点は
実はもう一つありました。
--------------------------------------------
The American Red Cross keeps
9 percent of any money it raises,
which means that as of Tuesday afternoon,
it had raised more than $3 million for itself
through the Japan campaign.
It also plans to cover the costs of the shelters
it opened in California and Hawaii
when there were warnings that
a tsunami might hit there,
estimated at somewhat less than $100,000.
(米国赤十字は集めたお金のうち
9パーセントは手元に保管する。
つまり米赤十字は
今回の日本支援のキャンペーンを通し、
火曜日の午後の時点で
300万ドル以上も資金を増やしたことになる。
なお、米赤十字は津波警報を発令した
カリフォルニア州とハワイ州に設けた避難所のコスト
ー10万ドルと推定されているー
の埋め合わせを行うことも計画中だ)
--------------------------------------------
というくだりです。
Japan Earthquake and Pacific Tsunami - FAQ
の資料によると、
9パーセントは運営費(administrative costs)
として差し引かれているとのこと。
これはどの赤十字でも同様かもしれませんが、
避難所のコストのことを考えると、
どうやら米赤十字に寄付したお金は、
『Japan Earthquake and Pacific Tsunami』
ということで
必ずしも全額日本の援助に使われるとは限らない
ようです。
日本赤十字社の公式サイトにあるよくあるご質問
にわかりやすい説明がありました。
--------------------------------------------
Q.「義援金」と「救援金」とはどう違うのですか?
A.「義援金」は、国内で発生した大規模災害に対して
皆さまからお寄せいただくもので、
全額を義援金配分委員会(※)に送金いたします。
その後、同委員会で立てられた配分計画に基づいて、
被災者の方々へ届けられます。
一方、「救援金」は、
海外での大規模自然災害や紛争等に際し、
赤十字が活動を行うための資金として
皆さまにご協力いただくもので、
現地における日本赤十字社や国際赤十字、
現地国の赤十字社・赤新月社による
救援活動及び復興支援活動等
に使わせていただきます
(被災者のもとに直接届けられるものではありません)。
(※)都道府県が主体となって構成される委員会で、
赤十字は構成メンバーの一員です。
--------------------------------------------
この説明を読む限り、
今回の地震の例にあてはめて言えば、
もし日本国外にいる人が
義援金を全額被災地に届けたいと思った場合、
自分のいる国の赤十字に寄付するより、
日本赤十字社に直接募金する方が良いようです。
私はもう今回米赤十字に募金してしまったので、
来月は別の方法で
募金をしてみたいと思います。
今まであまり募金について
よく調べたことがなかったので
今回の記事の件でとても勉強になりました。
【関連リンク】
Google Crisis Response
サイト上部にある「義援金」
のところで日本円を入力すると
日本赤十字社の義援金窓口へ寄付されます。
海外のクレジット・カードの使用可。
(私が寄付した時点ではなかったような気がします・・・)
CIvic Force
国内の大規模災害時に迅速で効果的な支援を行うための
NPO/NGO・企業・政府・行政の連携組織。
海外からは Just Giving UK を通して
クレジット・カードでも寄付可能。
The Japan Society
日本で被災者支援を行っている団体に
全額寄付を届けてくれます。
国外でもオンラインで寄付可能。
Peace Winds America
姉妹団体の Peace Winds Japan を通し、
災害支援活動に全額寄付を届けてくれます。
国外でもオンラインで寄付可能。
U.S.-Japan Council
災害支援活動を行っている組織に
全額寄付を届けてくれます。
国外でもオンラインで寄付可能。
Japan Earthquake and Tsunami: How to Help
上記以外にもさまざまな団体が記載されています。
どこに寄付をしたら、どこにお金が行くのか
日本国内での寄付先の情報については
こちらが参考になると思います。
今日も読んでくださって
![]()
ありがとうございます。
次回からは通常通り更新したいと思います。
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コメント
NYタイムズがこんないいかげんな記事をかくなんて…。この記事を素早く発見し、訂正するよう求めてくださったお二人に感謝します!
これからも放射性物質にからめて、日本製品のイメージを損なわせる様な過剰反応の記事が出てくるのでは…と危惧しています。
寄付の送り先に悩んでいたので、「義援金」と「救援金」の違い、わかりやすかったです。ありがとうございます!
投稿: 千葉から日本を応援♪ | 2011/03/21 10:26
千葉から日本を応援♪さん
コメントありがとうございます!
ほんまに私もびっくりでした。
他にも
「日本には寄付する必要はない」
という趣旨の記事をいくつか目にしたのですが、
(例:http://www.theatlanticwire.com/global/2011/03/case-against-donating-money-japan/35837/)
その引用にこの NY Times の記事が使われていたりして
(例:http://blogs.reuters.com/felix-salmon/2011/03/16/donating-to-japan-cont/)
もうがっかりです。
放射性物質を含む日本の食品について書かれた記事も
NY Times で見ましたが、
(http://www.nytimes.com/2011/03/20/world/asia/20food.html?_r=1&smid=tw-nytimes&seid=auto)
この記事では日本人の声が多く取り上げられていて、
とりわけアメリカ人の不安を不必要に煽るように書かれている
とは感じませんでした。
でも、これからも目を光らして記事をチェックしたいと思います!
ほんまに義援金と救援金、ややこしいですよね!
私はずっと言い方の問題で内容は一緒かと思ってました・・・
千葉にいらっしゃるとのことですが、
被害は大丈夫でしたでしょうか?
関東地方は節電や水などの問題もあるとニュースで見たので
まだまだ大変な状況かもしれませんが、
私も来月以降は寄付する機関を吟味して、
微力ですが少しでも日本のために役立ちたいと考えています。
私のいるところでも、かなりの募金活動が行われています。
世界中から日本を応援♪です!
投稿: Munchkin | 2011/03/25 16:41
こんにちは。丁度この災害がおきた時、アメリカにおりました。正直あまりの衝撃で、日本に戻る迄の残りの日数は楽しめずでした。
こういう状況下で、とりあえず、多くの人がてっとり早く協力できる事は、寄付や献血かと思ってます。
義捐金と救援金、大きな違いがあるんですね。このような情報や、どの団体が全ての寄付金の使われ方を開示をしているか等、急いでいると、そういう事を考えたりもせず、寄付してしまいがちですが、本来、とても大事な事ですよね。テレビや新聞でも、寄付をお願いしますという事ばかりで、詳細はあまりうたってないし、これからどういう風に使われていくかの説明もあまりないので、多くの人が寄付した全額が被災者様に届くと疑いなく思っているのではないかと思います。1円でも有益に使われてほしいと思うので、私達も賢くなくてはいけませんね。これからどんどん辛い話はでてくるでしょうが、皆、手を携えて協力していかなければと、深く心に思います。
投稿: ふぐ子 | 2011/03/27 18:56
内陸の我が家は被害もなく、教えていただいた日本赤十字の義援金に先日寄付してきました。
そして海外からも支援のニュース、「世界中から日本を応援♪」に本当に感謝です!
こんなに人の暖かみを感じたことは今までなかったかも。
実は福島にたくさん親族がおり、原発事故の行方によっては、一族みな失業(農家なので)の危機にあるのです。
春なのに作付けできないのは悲しいです。
でもみなさんの応援もあるし、なんとか知恵を絞ってやっていきたいと思います。がんばれ日本!
投稿: 千葉から日本を応援♪ | 2011/03/28 14:00
ふぐ子さん
アメリカにいらっしゃったのですね!
それはもう本当に気が気でなかったのではと察します。
私もいてもたってもいられず、
ニュースを見れば余計に不安になるだろうとわかっていながら
ニュースばかり見ていました。
ふぐ子さんのおっしゃること、心から同意します。
私が米赤十字に募金した時は、
募金するだけで安心してしまっていました。
しかも、募金するなら赤十字が一番良いのでは、
と今まで安直に思っていました。
赤十字以外にも支援団体はたくさんあって、
活動内容がそれぞれ違うだけでなく、
活動内容が似ている場合でも活動場所が異なっていたりして
細かいところまで支援先を特定することも可能
だということを
恥ずかしながら今回初めて知った次第です。
私が今いるところでも
さまざまな募金活動が行われていますが、
集めた募金が最終的に米赤十字に行くのか、
日本赤十字社に行くのか、
または他の支援団体に行くのか、
今までよく確かめていなかったので、
これからはきちんと吟味して
募金をしていこうと思います。
本当に私たちも賢くないといけませんね。
投稿: Munchkin | 2011/03/30 15:22
千葉から日本を応援♪さん
そうだったんですね!
そう伺えばますます
原子力発電所の問題が早急に収まることを
祈らずにはいられません。
私のいる州は兵庫県と姉妹提携を結んでいるということもあり、
阪神大震災を経験した人や、支援のために被災地を訪れた人
などに結構お会いします。
そのため地震災害に対する理解がある人も多く、
今回も地震のニュースが入った後
すぐに地元で大きな集会が開かれ、
知事が「今回も決して人事ではありません」と明言し、
州民に広く寄付を呼びかけました。
私も、まさにこの言葉に尽きると思います。
ニューヨークやロサンゼルスなどでも
さまざまなチャリティ・イベントやキャンペーンが開催されている
というニュースを見ますし、
他の国でもきっと同じことが起こっていると思いますが、
みんなが同じ思いで
少しでも力になりたいと感じているのだろう
と想像します。
でも、大切なのはこれが続いていくこと
(出来事が簡単に忘れられないこと)
だと、千葉から日本を応援♪さんの思いを知って
改めて思ったので、そのために私も
できることをできるだけ続けていきたいと思います。
投稿: Munchkin | 2011/03/31 12:28